増改築・減築

長野県飯田市「花の木の家」H様邸
既存家屋の減築および平屋住宅の新築工事

伝統芸能アーティストの友人から飯田市内にお住まいのお客様をご紹介いただきました。お父様が遺された立派なお家があり、ここに姉妹二人で住まわれています。当初いただいたのは、暖かく快適に過ごしやすくなるよう母屋を改修したいというお話でした。

早速、現状確認に伺い、お家を拝見しましたところ、お父様の遺品と身の周りの品々で大きなお家が手狭になっている状態(物を大事にする日本人に定型的な生活空間…)でした。この建物を高断熱構造に改修するのは技術的に難しいと考え、水回りと寝室を残すかたちで家の半分を先に解体・減築した上で、空いた土地にコンパクトな平屋を新築し、母屋の残り半分も最終的には解体し更地にするという案をお伝えしました。

こうしたプランを実現するためには、元の母屋に残された荷物の大半を処分する必要があります。思い出の品や愛着のある持ち物は簡単に手放せるものではありませんが、これからのライフスタイルのイメージを想い描くことで、お二人は思い切った決断をされました。


減築した母屋(二階建)を仮住まいとし、新居完成後に撤去しました。



新築する平屋住宅を設計する上でのポイントは、無駄なスペースを作らないこと(しかし狭小住宅にはしないこと)、そして冬暖かく、夏涼しく、安全かつ快適に過ごせること。間取りは、快適な生活のベースとなる多機能なリビングを中心としつつ、読書家のお姉さんは、たくさんの蔵書を収納できる書庫のようなお部屋をご希望。テレビっ子の妹さんの希望は、ゆっくりとくつろいでテレビ鑑賞ができること。リビングの壁にはピアノが設置できる専用スペースを設けています。弊社は電気工事も得意としておりますので、お二人の生活を支える様々な家電製品の選定・設置もお手伝いしました。

お客様:「外が暑くても家の中はカラっとしていて、板の間でごろんと横になっても気持ちがいいんです」


今回の設計・施工にあたっては、基本要件となる生活空間と断熱性能をしっかりと確保した上で、未来を見据えたライフスタイルのあり方をお客様といっしょに考えることができました。素敵な出会いに感謝いたしております。




H様邸主な仕様

主要構造材:桧4寸角
化粧梁:杉1尺

屋根:ガリバリウム鋼板 縦ハゼ葺き
外壁厚さ:188㎜
外断熱層(EPS):25㎜
充填断熱層(セルロースファイバー):120㎜
外装:樹脂モルタル/ファイバーメッシュ/遮熱フランス漆喰

内装:布クロス貼り
床材:杉15㎜
内部建具:杉

キッチン:ラジエントヒーター(遠赤外線)/食洗機
ユニットバス:浴室乾燥機付

太陽光発電システム(8kw)
床下暖房エアコン(2.2kw)
リビングエアコン(2.2kw)
雨水貯水タンク(500L)

設計・施工
株式会社バイオ・ベース